兵器道楽

兵器に関する古い時代の本を読んでいます。

ねえ、「航空朝日」って知ってる? そうそう、飛行機の月刊誌なんだけどさ

20世紀は映像の世紀だったなんてNHKが言っているが、テレビもネットも無い時代における娯楽といえばやはり映画と雑誌だったのだろう。報道写真の威力は絶大なものであったと改めて考えさせられる機会を得た。

 

と、言うわけで今日は伝説の航空雑誌「航空朝日」を紹介する。

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「航朝」は朝日新聞社が出していた航空機に関する情報を載せた月刊誌である。昭和15年11月から昭和20年11月まで発行されていたようだ。内容については写真や重工メーカー社員、日本兵による対談や航空技術の紹介、航空事情の解説などが載っている。

みどころ: 川西や三菱重工の技師によるコメントやはやはり読んでいて面白い。また、記事も戦時下における中でどこか平和な時代に対する希望を感じさせるものや、暗に大本営を批判するものまでありなんともいえないシュールさを感じる。そして、雑誌そのものも戦局の悪化によりどんどん適当なつくりになっていくのが見過ごせないポイントだ。 あと必ずといって良いほどヒロポンの宣伝があるよ。

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あんなゲームやこんなゲームでおなじみの航空機の写真も載っていて実に面白い。

日本軍による検閲を受けたコンテンツだからか、ところどころ文字が黒塗りしてあったり、「やられた」といった描写が思いっきり削られているのも特徴である。

 

購入方法について:

この雑誌は終戦後にGHQの要請で処分されてしまったので、現存するものは少ないそうである。よって入手する手段は残念ながら「古本屋」を気合で探すという原始的な方法に頼らざるを得ないだろう。 無念。 

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プロパガンダ色こそあれど、今日も営業を続けている企業の広告や有名な航空機の分析もあるので、見かけたらぜひ手にとっていただきたいシリーズである。

それでは.