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外商部員59号の日記

フライトシマーの備忘録。都市開発、シミュレーションゲーム、コスプレがすきです。

航空朝日 2604年11月1日号「ロケットの話」(秋水ネタもあるよ)を読む

ロケットといえば、現代の日本語では宇宙旅行をするための乗り物(アポロ宇宙船やソユーズ、またH2Aといった無人機も含む)や無誘導の砲兵器という風潮である。しかしながら、1940年代の意味では噴流推進で動く乗り物全般を指していたらしい。以下、ここに1944年11月にでた軍事雑誌のロケット機特集を読んでみることにする。

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表紙裏グラビア。日本+枢軸+反枢軸軍機の画像が多数。

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今回の肝となるロケット機の話。外誌の翻訳ではなく、日本人によって書かれている。

さて、本文には本来のロケットを月世界旅行や宇宙探検の乗り物として話に現れてくる、液体酸素と液体水素を燃やして噴出させ飛ぼうとするものであり、燃焼に必要なもの一切合切を持って歩く」ときちんと定義している。しかし、「空気を取り入れ、これにガソリンなどの燃料を入れて燃焼させ、後方に噴出してその反動で推進せんとすもの」ときちんとジェット機についても違いを解説している。

本章はこうした科学燃料ロケットと、熱空気推進・タービンロケットの双方について図と文章で解説しており非常にためになる(と思う)

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「甲乙二つの燃料液をもっていき、これを混合すれば化学反応を起こして発熱し適度な温度になるようにすればよい。」って秋水のことを指しているような気がしなくもない。

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タービン・ロケット機のイラスト。本項では基礎理論や構造に加えて「熱空気推進装置は装置全体の抵抗が機体の抵抗の大半を占め、しかも機体抵抗の大なるが故の速度低下は直ちに装置の性能低下となり、ちょっとの原因で加速度的に飛行機の性能が落ちる」とイタリア カンピーニ戦闘機のことをボロクソに書いている。

ちなみに燃焼温度を上げることでエンジン効率を改善できるので高温にも耐えられるタービンが必要なことも言及していたりするのが面白い。 

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そして、〆となるロケット機のパワーポイント的分類図。タービンロケット機の時代は確かにきたが、未舗装の滑走路/誘導路では埃をすってえらいことになるなんてことは書かれていない(ミグ29はごみを吸わないように工夫がしている) 笑

 

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その他の記事、アメリカ初のジェット機の話

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そして英米空母の話。この本が書かれていたのはちょうどレイテ・フィリピンの戦いのころである。エセックス型11隻、ロングアイランド型50隻、インデイペンデンス型9隻以上がロールアウトしたことが記されている。だが、護衛空母に関しては詳細な性能はもとい艦名すらも分からないと書いてある。

なお、巻末の海外飛行機ニュースではB29の生産進捗やB24の解説が載っている一方でハインケルHe111Zが運用されていることが載っている。なお海外では「アーヘン」陥落、「ベオグラード」が占領され、日本では新聞朝刊が2ページとなっていたころらしい。

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それにしても、今回は「カンピーニ」「カムピーニ」で表記ゆれが起きていたりしていたが、硬派で技術志向な記事が並んだ一冊であった。さて、ブログ読者の方々におかれてはボウイング・ジャンボジェットやMD会社・F-15J "イーグル"を「噴流推進機」「ロケット要撃機」などと呼んでお友達からドン引きされても主筆はその責を負いかねるものとする。