航空朝日 2605年3月号 "B29設計の検討" "米空軍は何を爆撃するか" "最近の海外航空事情" を読む
投票の結果に鑑みて今回の調査はB29特集と致します。
というわけで航空朝日 昭和20年の三月号を引っ張り出してきた。
この表紙スタイルは1944年の3月から始まった白黒刷りのものである。以前は表紙が総天然色であったが、今回はどう考えても資源が欠乏しており、悲壮感を感じずにはいられない。早速中身を確認する。
「B29が飛んでいるのをみて、敵ながら美しいとか清楚という人がいる。それに対して筆者は意義を申し立てたいと思う。(中略) B29の美しさも、結局は有機ガラス製品の感じでしかないのだ。それをいつの間にか形態まで美しいと、錯覚を起こしているのである。」
上部のイラストと強烈な文章に頭がクラクラする。しかしながら、中身は非常にまじめな文章が続く。諸元性能(推測を含む)やB17、ストラトクルーザー機(ボーイング製亜成層圏輸送機) との比較を経て特徴を冷静に分析している。
翼幅、全長、翼面積、主翼縦横比、プロペラ直径、エンジン、重量とその配分が載っている。また空力特性と燃料効率、主要戦術に関する考察もされており大衆向け雑誌としては珍しく感情論や精神論からは距離を置いている。(筆者は東大准教授といった事情も絡んでいるのだろうが)
「正規全備50~55トンは妥当であり、60トン或いはそれ以上の過重重量での運用は強力なフラップによって離陸速度を下げるか補助ロケット推進で推力を増加するなどの方法を用いらなければ到底実用にならないと思われる。全備重量、燃料搭載量、空力特性、プロペラ効率、燃料消費率 これらが分かれば航続距離を計算できる。(中略)一万メートル内外の高高度で侵入してくるのは、わが軍の防空戦闘機の激しい攻撃を避けるために他ならぬ。おそらく、マリアナ基地から本土に至るコースの過半は3~4000メートルで飛行し、本土に近接するとともに高度を上げてくるのではあるまいか。」
(第十七ページの図)
日本がほとんど作れなかった過給タービンのはなし。
航続距離の延長を可能とする落下燃料タンクのはなし。
タイム誌の転載記事と米軍の目標選定に関する話。
巻末の海外飛行機ニュース。Ju-88の改良型、英6トン爆弾(トールボーイ爆弾)などのニュースが載っている。
裏表紙。あやめ池遊園地(関西の知り合いは知らないといっていたが)、マツダランプ 東芝、グンゼ、わかもと 。「回覧で活用 一冊を百冊に」なんて書いている。"昔は本が貴重だった"を地で行く情勢ゆえに借りパクされた人も居るのではないだろうかと心配してみる。(200の鉛筆書きは買い取り価格か)
以上、大戦末期の軍事雑誌を読んでみた。本号は珍しく極めて真面目なことが書いておりいい意味で期待を裏切られてしまった。もっとも家で飲酒をしながら翌月の"大型爆撃機必勝論"やダグラスB-19、ストラトライナー亜成層圏輸送機の資料と併せて読むことが出来るのは現代人の特権に違いない。
さて、奥付には昭和20年3月1日発行と書いてある。 10万人以上が犠牲になった東京下町大空襲が起きる直前の話であることは歴史の皮肉なのだろうか。
航空朝日 2603年9月号 "最近の海外航空技術(1)"を読む
困ったときの航空朝日ネタ^q^
と、いうわけで神奈川県から紆余曲折を経て手元に来た雑誌を読んで見る。
表紙はP-40ウォーホーク。このころには「発展の余地が乏しい」という評価だったそうな。(後日への伏線です)
巻頭グラビアの新型機紹介。ロッキード・コニーとスピットファイアシリーズの写真。
特集記事は各種新型の航空艤装について。過給タービンを装備した米製エンジンならびにスピットファイアvsBF109みたいな話。ドイツ製機関砲に関する話。
こんな文書を読んでいたら確実にWarThunderしたくなる。 うん。
英米独の新型機紹介。DC-4は太平洋戦争終結後、日本航空の主力機体として採用されていたりする。ちなみにANAはビッカースバイカウント、コンベアを採用したそうな。
今後の航空機のあり方に対する対談。「全盛期は戦後に」という言葉に歴史のアイロニーを感じる。そして全くその通りとなった。(と思う)
裏表紙の広告欄。東芝マツダランプと遊園地の広告。電球を買いに行くときは古電球との引換らしい。嫌な時代である。笑
以上、ざっとした紹介である。表紙にP-40を持ってきたわりに、中身はスピットファイアとBf109だった。なんてこった。 これが俗にいうジャケット詐欺か。
それでは👏
航空朝日 2604年7月号 -B24型爆撃機の取扱説明書- を読む
ちょっと前の映画で「不屈の男 アンブロークン」というアメリカ兵捕虜を題材にした映画がありました。さて、先日入手した雑誌「航空朝日」に主人公が乗っていた戦略爆撃機B-24 リベレイターの説明書の邦訳が発掘されたので上げたいと思います。
B-24はB-17とB-29の中間に位置する戦略爆撃機らしいです。コンソリデーテッド社により生産され、柿の種やばかうけ、大型トラックのような雰囲気を漂わせています。
様々な図が載っているようです。大型爆撃機を多数製造するアメリカの工業力について考えさせられます。
グラビアと表紙裏の広告。チハ戦車だと思われます。
特集その2。対空挺部隊作戦の話。この時代は輸送ヘリコプターなんてなかったので、密林地帯に飛行場を建設したり、輸送機からグライダーを牽引することで輸送量を増やす手段が講じられた。
特集その3。墜落したB-29。6月17日の北九州への空爆のレポート。
巻末 最近の海外航空事情コーナー。ルーデル少佐、P47戦闘機、新型ワイルドキャットについて報じている。
裏表紙広告。東芝 マツダランプの「電球や笠の埃を拭うと、明るさが二倍にも三倍にもなります」が哀愁を誘う一方、非常時においても遊園地が営業しているという点が驚きです。
大戦の末期ごろですが、B-24、B-29、ワイルドキャット、DC-7 輸送機など色々解説していて実に濃い一冊でした。
それではまた今度。
航空朝日 2603年5月号 -続 鹵獲敵機の研究- を読む / ボーイングB-17について
文明対決シミュレーションゲーム「シヴィライゼーション」の最新作が出るらしい。
小生のようにミーハーな人間にとっては、CiV=B-17のイメージが割とあるし、実家よりお楽しみコンテンツが届いたのでB-17のことが載っている例の本を取り上げ〼。(困ったときの雑誌ネタ)
公式がクソコラ。どんな機種かわかるかな。
グラビアは零戦とB-17D/E型。
目次。半年前に比べて薄くなった模様である。
三面図、兵装について
主翼内部のスケッチ。非常に細かい。
裏表紙は電球と博物館の宣伝。共同印刷によって印刷されたらしい。
このほかに、鹵獲機体の主脚構造図や南半球に駐屯する部隊のインタビュー、轟沈する空母ワスプの話が載っている。興味深いのは、単なる提灯記事のみならず、B-17の設計の優秀さを取り上げてつつ日本軍部を暗に批判する内容が載っていたり、表紙のクソコラが懸賞のお題になっている点である。
飛行機ファンは非常事態下にあっても、遊び心を忘れないということなのだろうか。
21世紀人の人情として、こういったものを見ているとWarThunderとかCiv、提督の決断をやりたくなりますよね..
新生ガンダムカードビルダーの話
ガンダムばんざ~い思考であったガキの頃、ハマっていたコンピューターゲームが、ガンダムカードビルダーと戦場の絆であった。まあ、F-16戦闘機やSu-27戦闘機、小田急線のアレもすきだったのだけど。
という訳で某日新生カードビルダーを確かめるべくゲームセンターへと足を運んだ。
スターターパックを買ってから遊ぶというの流れであるが、カツ・コバヤシとファ・ユイリイ、メタス、ネモがスターターデッキに含まれている。スパロボFとか第四次Sの序盤みたいな編成だなぁ~~ 。
チュートリアルを試してみる。 目標を攻撃圏内に入れて打撃.. 目標を攻撃圏内に入れて打撃.. ガンパレードマーチやエヴァンゲリオン2で見たアレだ!!いっけ~ビームピストル笑
このゲーム、宇宙世紀全体が舞台なので結構いろいろな歩行戦車がでてくるらしい。ペイルライダーやガンキャノン・ディテクター、Gピクシーとか。 いやぁ感動感動。涙がでてきちゃうね。
しかしながら、2戦やって引けたのはゾゴックとドム。うん、これはハマる前にやめろということですね。別に動いているMSを観てキャッキャするならギレンの野望もあるからな~~ 。 ちなみにブルーディスティニーを動かしたかった(弐号機がすき)
現状ではゲームプレイよりも優秀な能力を持ったカードが出ることに達成感を見いだせそうなことを憂慮する。
エースコンバット7について思うこと/ウソつきのススメ
エースコンバット7が出るらしい。 いやぁーーうれしいですね。
戦闘機を思いっきり飛ばせる快感、本当にあのシリーズは気持ちが良いですよね。
PS4が買いたくなってしまいますねヤバイやばい。外部視点で遊ぶとグラフィック改善の効果を大きくえることができると、考えてしまいました。ま、個人的にはエナジーエアフォースの復活を望んでいます。エースコンバット→エナエア→DCS みたく安心して沼に漬かれるような時代が来ることを待ち望んでいます。
と、言うわけで手持ちの中でもっとも古いヒコーキゲーを振り返ってみる。(本題)
スペクトラム・ホロバイト製の「Falcon 2.0」(1988)である。AT互換機/PC98用のF-16のシミュレーションらしい。全12面。ミッションによって装備を選択するというエーセコンバットに近いものを感じる。
武装によって重量や燃費も変わってくるとか。当時はまだリビア空爆の後/湾岸戦争の前でありAIM-120[アムラーム]なんていった便利な武器はない。 つらい。
無人化/ハイテク化が進展した軍用機の未来について議論が交わされていく中、飛行機ゲームは今後どうなっていくのでしょうね。 続編のFalcon4.0についても触れるので乞うご期待ください。 (つづく)
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ねえ、「航空朝日」って知ってる? そうそう、飛行機の月刊誌なんだけどさ
20世紀は映像の世紀だったなんてNHKが言っているが、テレビもネットも無い時代における娯楽といえばやはり映画と雑誌だったのだろう。報道写真の威力は絶大なものであったと改めて考えさせられる機会を得た。
と、言うわけで今日は伝説の航空雑誌「航空朝日」を紹介する。
「航朝」は朝日新聞社が出していた航空機に関する情報を載せた月刊誌である。昭和15年11月から昭和20年11月まで発行されていたようだ。内容については写真や重工メーカー社員、日本兵による対談や航空技術の紹介、航空事情の解説などが載っている。
みどころ: 川西や三菱重工の技師によるコメントやはやはり読んでいて面白い。また、記事も戦時下における中でどこか平和な時代に対する希望を感じさせるものや、暗に大本営を批判するものまでありなんともいえないシュールさを感じる。そして、雑誌そのものも戦局の悪化によりどんどん適当なつくりになっていくのが見過ごせないポイントだ。 あと必ずといって良いほどヒロポンの宣伝があるよ。
あんなゲームやこんなゲームでおなじみの航空機の写真も載っていて実に面白い。
日本軍による検閲を受けたコンテンツだからか、ところどころ文字が黒塗りしてあったり、「やられた」といった描写が思いっきり削られているのも特徴である。
購入方法について:
この雑誌は終戦後にGHQの要請で処分されてしまったので、現存するものは少ないそうである。よって入手する手段は残念ながら「古本屋」を気合で探すという原始的な方法に頼らざるを得ないだろう。 無念。
プロパガンダ色こそあれど、今日も営業を続けている企業の広告や有名な航空機の分析もあるので、見かけたらぜひ手にとっていただきたいシリーズである。
それでは.